神戸市東灘区にある岡本商店街にB.B.SHOPをオープンさせて、今年で45年が経ちました。
今でこそ、商店街などでおもちゃ屋を見る機会が少なくなってしまいましたが、45年前にB.B.SHOPをオープンさせたばかりのときは、まだどこの商店街にも必ずおもちゃ屋さんがあり、お店の周りは子どもたちで溢れていました。
B.B.SHOPもそんな街のおもちゃ屋さんと同じように、子どもたちが喜ぶおもちゃを取りそろえ、子どもたちの笑顔を毎日眺めてておりましたが、ある日、ふっと私は思いました。
- 子どもたちは本当に遊べているんだろうか?
- 子どもたちの成長に必要なおもちゃとはなんだろう?
- 本当に遊べるおもちゃってなんだろう?
確かに子どもたちはおもちゃで遊ぶことで笑顔になります。でも、本当に遊べているのでしょうか?
成長の過程において、遊びはとても大事です。遊びの中から新しい気づきや自由な発想を身に着け、子どもたちは日々成長していきます。ですから、おもちゃは子どもたちにとって、
- やりたいことが自由に出来るものでないといけないのではないか
- 月齢にあったおもちゃを必要な量を与えてあげるべきではないか
と思い、店内を見まわし、実際におもちゃで私自身が遊んでみました。正直、よく売れてよく儲からせてもらったおもちゃではありましたが、私にはあまり楽しく遊べませんでした。
説明書の通りに作り上げるとかっこいいロボットが完成するおもちゃがあります。しかし作ってお終いなんです。あとは飾るだけでその後遊べないんです。思うようなポーズや組み上げをしたいのですが、それが出来ないのです。
音と光が賑やかで、ヒーローに変身出来るようなおもちゃもありました。しかし実際にヒーローになることは勿論出来ませんし、次の年には新しいヒーローが現れ、せっかく買ってもらったおもちゃも、もう遊ばないおもちゃになってしまいます。
当時星の数ほどあったおもちゃ屋の1つではありますが、おもちゃ屋としてこのままで本当に良いのか?自分のやりたいことはこれなのか?という自問自答の後、私は私自身が遊んでみて楽しいおもちゃだけを残し、遊べなかったおもちゃは全て店内から取り除いていきました。
当然、売り上げはそれまでの半分以下に落ち込んでしまいました。お店に来てくれる子どもたちも減っていきました。また、テレビCMなどですでに予備知識があるおもちゃと違い、1点づつお客様に遊び方を説明していかないといけませんので、手間も増えました。それでも店内には、私自身が子どもたちの成長のために必要な、本当に遊べるおもちゃだけを残しましたので、お客様には自信を持ってご案内できるお店だと思っております。
紆余曲折ありましたが、神戸にある岡本の街で45年間おもちゃ屋を続けてこれたのは、もちろんB.B.SHOPでおもちゃを買って頂いたお客様のおかげであります。今後も私の体力が続く限り、この街で子どもたちが本当に遊べるおもちゃを、皆様にご案内させて頂こうと思っておりますので、今後ともB.B.SHOPをよろしくお願いします。